~ 旭テクノロジーが提案する効率化・デジタルデータ活用とは~
株式会社旭テクノロジー(本社:兵庫県姫路市、代表取締役:幸長 保之、以下「ATCL」)は、2025年6月18日に姫路市内の橋梁において、最新の手法を用いた橋梁点検デモンストレーションを開催しました。本デモンストレーションでは、地方自治体および建設コンサルタント各社が参加し、今後の橋梁点検の効率化・安全性の向上・長期的な予防保全へ活用するデジタルデータについてのATCL点検手法の説明を行いました。


1.背景
橋梁点検は、老朽化する社会インフラの維持管理において不可欠な業務ですが、従来手法には多くの課題が存在していました。具体的には、橋梁点検車を使用する際には周辺の環境整備が必要であり、点検車の利用料も発生します。また、高所での点検では人が点検を行うことによる危険性が高く、足場の設置費用やロープアクセス作業費用が追加で発生します。さらに、高所にある狭隘部ではそもそも点検自体が困難であること、そして点検記録が紙ベースで保存されていることから、過去の点検履歴の調査や検索性が低いという問題も指摘されてきました。
こうした課題を背景に、ATCLではドローンを活用した革新的な点検手法を開発。点検業務の効率化と安全性の向上、さらには将来的な予防保全を見据えたデジタルデータの利活用による新たな橋梁点検モデルの提案を行っています。
2.デモンストレーション内容
今回のデモンストレーションでは、以下の機材を使用し、点検のリアルな現場を再現しました。
■検証用機材
(1) DJI / Matrice 350 RTK(橋梁全体点検機体、ELIOS3監視用機体)
https://enterprise.dji.com/jp/matrice-350-rtk
(2) DJI / ZENMUSE L2(Matrice 350 RTK搭載、高精度LiDARシステム/カメラ )
https://enterprise.dji.com/jp/zenmuse-l2
(3) Flyability / ELIOS3(狭小部点検機体)
●国土交通省 新技術情報提供システム(NETIS)登録機体
https://www.netis.mlit.go.jp/netis/input/pubsearch/details?regNo=KK-250014%20
●国土交通省 点検支援技術性能カタログ 登録機体
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/inspection-support/


■デモンストレーション内容
(1) 2機体制での点検(ELIOS3<点検機体>+Matrice350RTK<監視機体>)
MATRICEによる上空撮影と、ELIOSによる近接点検を組み合わせることで、橋梁全体から細部までを網羅する高度な点検が実現。さらに、操縦者と副操縦者がタブレット端末を活用し、過去の点検報告書とリアルタイムの映像を照合しながら、効率的な記録と判断が可能となりました。
加えて、ELIOS3にて狭小部を点検する際、機体が操縦士の視界から外れる状況が発生するため、安全性の観点からMatrice350RTKにより、ELIOS3の飛行状態を上空から常時監視。これにより、視界外での飛行リスクを最小化し、安全かつ確実な運用が実現しています。


(2) Matrice350RTK(3D点群データの生成・確認 / 橋梁全体像)
橋梁全体を撮影し3D点群データを生成。

(3) ELIOS3での点検(コンクリート橋・鋼橋、タブレットでの記録)
ELIOS3を使用し、コンクリート橋および鋼橋の狭隘部を点検。
記録には2台のタブレットを用いて、作業効率と正確性を高めました。
- Aタブレット:操縦士のプロポ画面をミラーリングし、リアルタイム映像を表示。
- Bタブレット:前回の点検報告書(調書)を表示。
この体制により、副操縦士はBタブレットで前回の損傷箇所を確認しながら、Aタブレットでのライブ映像を通して操縦士に正確な撮影指示を出すことが可能になります。また、Bタブレット上で新たな損傷情報を即座に記録できるため、紙媒体での野帳記録が不要となり、後日の照合作業も省略可能です。



(4) Inspectorにおける点検記録データ紹介
ELIOSシリーズのフライトデータ解析ソフト「Inspector」にて、飛行データ画面を提示。
画面左側の「3D点群データ」、画面中央の「静止画」、画面右側の「静止画一覧」を紹介。
簡易的に長さを図る「スケール機能」、表面温度を確認する「赤外線(サーマル)カメラ」による撮影動画等、ELIOS3の狭小部飛行に加えInspectorの多彩な解析機能も確認頂きました。

(5) 意見交換・質疑応答
上記デモンストレーションの後、参加者の方から数多くのご質問、ならびに追加飛行等のご要望をいただきました。
3.参加者からのご意見・ご感想
デモンストレーション終了後に参加者の方々へアンケートを実施し、多くの評価とご意見を
いただきました。
(1) 印象に残ったポイント
・狭小部の点検に非常に効果的
・人が点検できない損傷部が確認できる性能に驚いた
・飛行後のInspectorの3D点群データ処理、その精度と機能が活用できると感じた
・2機の機体による橋梁点検を初めて見た
・2つのタブレットを利用した、リアルタイムで点検調書を見ながら記録できる点
(2) ドローン活用のメリット
・交通規制や橋梁点検車などの準備簡略化
・安全性向上
・近接での撮影、橋体に接触しながらの撮影
・動画で撮影することによる、撮り忘れ等の人為的ミス削減
・点検時間の短縮
(3) 懸念点・導入課題
・費用面(当日の費用説明は省略)
・打音検査ができないこと
・天候の影響


4.3D点群データ解析結果から、長期保全・予防保全への活用を期待
MATRICE 350 RTKに搭載したZENMUSE L2で撮影・取得した橋梁全体の3D点群データを詳細に解析した結果、橋梁構造の「そり」が可視化されました。取得した点群データに対してフィルタリング処理を施し、構造物の主要部に対して直線を描画したところ、明確な「そり」が確認されました。このように「橋梁全体の3D点群化」を実施することで、前回調査との比較が可能となり、構造物の経年変化を定量的に評価できます。これにより、劣化の兆候を早期に発見し、事故や機能不全を未然に防ぐ「予知保全・予防保全」型の維持管理が、今後の社会インフラ点検での活用に期待されます。


5.今後の展望
ATCLは今後も、橋梁をはじめとする社会インフラや法人施設・設備の維持管理において、安全性・効率性・継続性を兼ね備えたドローン点検の活用を推進します。また、運用ノウハウやドローン点検データ活用を含めた「包括的なDX推進ソリューション」として、自治体や法人各社へのご支援・ご提案を進めてまいります。
■本件に関するお問合せ先
本デモンストレーションに関するご質問・お問合せにつきましては、下記までご連絡ください。
株式会社旭テクノロジー ドローン事業部 山本・持田・坂井
電話番号:079-290-5691
メール :dms@atcl.co.jp
~アルミケーブル導入で盗難対策も強化~
このたび当社は、栃木県内にある高圧太陽光発電所において、発電設備のリパワリング(更新工事)を実施しました。
稼働から10年が経過した本設備では、パワーコンディショナーの故障が増加しており、修理コストや売電ロスのリスクが課題となっていました。今回のリパワリングにより、設備の安定性と効率が大きく向上し、将来的なリスクの低減にもつながっています。

実施内容の概要


- パワーコンディショナーの交換
日新電機製(セントラル型) → HUAWEI製(分散型)
モジュールごとの管理が可能な分散型パワコンにより、より効率的な運転と柔軟な保守体制を実現しました。
- ストリングケーブルの変更
銅ケーブル → アルミケーブル
近年問題となっている銅線盗難の対策として、アルミケーブルへ切り替えを実施。安全性の向上とコスト最適化を両立しました。

リパワリングの背景
- 売電開始から10年が経過し、機器の故障頻度が増加
- 保証切れにより、修理費用の負担が拡大
- 修理にかかるリードタイム、売電停止期間が長期化
実施の決め手
- 将来的な高額修理リスクの回避
- パワコン停止による売電ロスを最小限に
- 効率的な分散型システムへの移行
- アルミケーブル導入により盗難リスクを大幅に軽減

今回のリパワリングにより、長期的な安定運用と発電効率の向上が見込まれます。当社では今後も、安全・安心・効率的な太陽光発電設備の運用を通じて、持続可能なエネルギー社会の実現に貢献してまいります。
「わたしの発電所もリパワリングできる?」 など、
お気軽にご相談ください!
↓ご相談はこちらまで↓
TEL:079-260-8220

ついにハイエンド産業機「Matrice 400」が発表されました!
最新のDJI産業機が勢揃いし、点検・測量の実演が決定!
6/10発表のハイエンド産業機「Matrice 400」が初登場!
そのほかにも、レーザー測量モジュール「Zenmuse L2」を始め、赤外線カメラ「H30T」、小型フラッグシップ「Matrice4Thermal/Enterprise」、完全自動点検/測量ソリューション「Dock3」DJIの点検・測量最新ソリューションを揃えています!
私達、旭テクノロジーはプラント事業から事業をスタートしました。その後、社会情勢の変化があり、太陽光発電を始めとする再生可能エネルギー事業に参入いたしました。太陽光発電所の点検を効率化できるものはないのか、、、と試行錯誤していたところ、ドローンと出会いました。点検にドローンを取り入れ、コスト削減や省力化をすることができ、ドローン事業を立ち上げることになりました。
このような経緯があり、旭テクノロジーはドローン事業を営んでおります。
プラント事業、再生可能エネルギー事業は建設業であり、現在は人手不足が激しい業界の1つです。私達も同じような人手不足の問題を抱えています。そういった中で、実際にドローンを業務に取り入れ効率化・コスト削減を図ってきました。
単なる物流ドローンのフライトだけでなく、これまでの私達の経験もお伝えすることができる実演会です。
同じような悩みのある法人の方、新規事業を考えていらっしゃる個人の方はぜひご参加ください。

【DMS兵庫姫路校】 | |
所在地 | 〒671-2224 兵庫県姫路市青山西4丁目4-1MAP |
問い合わせ先 | TEL:079-290-5691 |
~ 安全性・効率性の両立を検証 ~
株式会社旭テクノロジー(本社:兵庫県姫路市、代表取締役:幸長 保之、以下「ATCL」)は、2025年4月10日に姫路市の下水道施設において、スイス・FLIABILITY社製の球体ドローン「ELIOS3」を活用した下水道点検の公開検証を実施しました。
本検証では、姫路市上下水道局および関連事業者が参加し、老朽化が進む下水道設備の安全かつ効率的な点検手法として、ドローン活用の可能性を確認することを目的としています。
1.背景
下水道は汚れた水を速やかに排除して街を清潔に保ち、短時間での局地的な豪雨の際には雨水を素早く排水するなど、我々の快適な生活を支える重要な社会インフラです。しかしながら、我が国における1950年代以降の高度成長期に整備された社会インフラが急速に老朽化し、さらに建設後50年以上経過する下水道設備の割合が加速度的に高くなる見込みであり、見えないリスクの増加が懸念されています。
2.検証内容
従来の人による点検では「柔軟な撮影・打音検査」において依然として優位性があるものの、硫化水素による人身事故が発生するリスクがあり、カメラロボットと比較した際には「効率性」の課題が存在します。また、カメラロボットや水上ロボットによる点検では「人的リスクが軽減」されるものの、「点検範囲・撮影範囲が限定される」課題があるため、これらの課題がドローンを活用した際にどのような点で効率化・安全化されるかを検証しました。
■主な検証ポイント:ドローンによる下水道点検の効率性・安全性を検証
■検証用機材:FLYABILITY ELIOS3(スイス製)
メーカーURL : https://www.flyability.com/ja/elios-3
・直径:400mm×高さ:380mm
・搭載カメラ:4Kカメラ、サーマルカメラ
・搭載ライト:防塵 16,000ルーメン
・飛行時間:9分(高性能Liderあり)、12分(高性能Liderなし)
・機体重量:2.35kg(バッテリー等含む)




3.検証結果
下記条件の下、ELIOS3による下水道点検の効率性・安全性を検証し、下水道点検のスクリーニング調査(初期診断)に有効なことを確認した。
■検証現場の条件
・マンホール直上の吸い込み風速:約2.0m/秒
・管径:1,350mm
・管径に対する水量:4分の1程度(電波が届かない可能性あり、専用エクステンダーを利用)
■飛行・撮影内容
・本菅を約6.7m飛行し、動画と静止画を撮影(撮影後、専用ソフトウェアにて3D点群データ生成)
■主な検証ポイント
特殊な環境下で繊細なドローン操作が必要となるため、十分配慮しながら厳しい環境下で動画・静止画が鮮明に撮影できるかを検証し、参加者からその評価を頂いた。
(1) 下水道管路点検での環境(一般的な設備・施設点検と環境が大きく異なる)
・電波が届かない、太陽光が届かない、高湿度な空間、狭所空間 など
(2) 点検区間によって異なる環境
・風速の変化、流水量の変化、狭所内での方向変化、堆積物等の蓄積 など
①マンホール直上・本管内における強風の影響
検証前のテスト飛行では、マンホールを開けた際にマンホール直上から1m程度降下した時点で機体が急速に吸い込まれる現象が発生したため、マンホール直上の風速に注意しながら行った。
検証当日のマンホール直上の風速は約2.0m/秒であり、ELIOS3の性能上問題なく投下した。
また、本管まで降下し、横移動でも問題なく飛行ができた。
②本管内の水量の影響
マンホール直上から目視したところ、本管内の水量は管径に対し約4分の1であったものの、流水のスピードが速く、機体への影響が懸念されたがおおむね問題なく横移動を行った。
③撮影速度
本管内約6.7mの撮影を、約3秒で移動。
④撮影した静止画・動画の品質 静止画・動画を参加者に提示し、報告書作成に問題なく鮮明であることを確認した。




■参加者からの評価
・予想以上に画像が鮮明であった
・思った以上に早いスピードで移動し、撮影ができていた
・カメラロボットや水上ドローンに比べ、空間内での自由な撮影が可能
・下水道点検のスクリーニング調査に利用してみたい
・3D点群データに撮影位置が表示されているため、報告書作成時に効率化が期待できる
・本管点検以外に、マンホール点検に高性能Liderにて生成した3D点群データが有効
・詳細の図面が無いことが多く、3D点群データ生成により効率的な維持管理・修繕予測ができそう
■本検証による発見
・下水処理場の近隣では、マンホール直上の風速が早くドローンが引き込まれる事象を確認した
・事前調査の際、マンホール直上の風速が約3.5m/秒であったが、隣接するマンホールを空けた
ところ2.5m/秒程度まで減少することを確認した
4.今後の展望
検証の結果、ELIOS3が強風や流水量の影響を受けるものの、下水道点検のスクリーニング調査に有効との評価をいただいた。
着水・水没のリスクと回収方法の検討、本管の直径と流水量により大口径であっても飛行不可となる状況、高湿度な環境下での撮影対策など、解決すべき課題はあるものの、新技術活用による効率化と安全性向上のため、当社では継続して下水道点検の安全性・効率化を目的として、社会実装・自治体への展開へ取り組んで参ります。
■本件に関する問合せ先
本検証に関する最新の情報や、導入を検討される自治体様・点検事業者様向けのご案内については、以下のお問い合わせ先までご連絡ください。
株式会社旭テクノロジー ドローン事業部 山本・持田・天野
電話番号:079-290-5691 メール :dms@atcl.co.jp